ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
「じゃ、よろしく。美夜子、今日はたっくんが帰ってくるの。空気読みなさいよ。じゃっ!」
「はぁ?」
後半部分は冗談にしろ、とってもタチが悪い。
幸いあたしにしか聞こえないくらいの声で言われた言葉は、トラには聞こえてないと思いたい。
それにしても、目の前の男は平然とした顔で、昨日のことなんてなかったかのように、普通にあたしの目の前に立っている。
「こっち。みゃーこ、バイク乗ったことある?」
「……原付なら」
「あー、ま、大丈夫か。怖くても騒ぐなよ?」
家の敷地内から出ると、すぐ近くに漆黒のボディを艶やかに光らせる、大きなバイクが停めてあった。
トラはそれに跨りフルフェイスのヘルメットを被ると、あたしにジェットが付いた白地に黒のラインが入ったヘルメットを差し出した。
「はぁ?」
後半部分は冗談にしろ、とってもタチが悪い。
幸いあたしにしか聞こえないくらいの声で言われた言葉は、トラには聞こえてないと思いたい。
それにしても、目の前の男は平然とした顔で、昨日のことなんてなかったかのように、普通にあたしの目の前に立っている。
「こっち。みゃーこ、バイク乗ったことある?」
「……原付なら」
「あー、ま、大丈夫か。怖くても騒ぐなよ?」
家の敷地内から出ると、すぐ近くに漆黒のボディを艶やかに光らせる、大きなバイクが停めてあった。
トラはそれに跨りフルフェイスのヘルメットを被ると、あたしにジェットが付いた白地に黒のラインが入ったヘルメットを差し出した。