ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
こうしてすっかりドラトラの一員になったあたしは、それなりに楽しい日々を送っていた。

だけどやっぱりあたしは女の子で、あの世界とは完璧に決別できるわけじゃなく。


「ミヤちゃん、お疲れぇ」


最近の悩みの種は、おっとりとした喋り方で女の子らしい雰囲気の、穂花(ほのか)という女の子にあった。

穂花は前々からあたしのことが気になっていたらしく、この前の飲み会で見かけて以来、声をかけてみたかったんだと、自分の友人である千春(ちはる)を連れて話しかけてきた。

あたしはどうも女の子に対して慎重になりすぎているのか、この二人の前では上手く笑えず、気疲れしてしまう。

あたしと友達になりたいと言って声をかけてくれているので、邪険にすることもできず曖昧な笑みを返すしかなかった。
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