ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
「最近来ないじゃん? うちら昨日行ったんだけど、言ってたよ。『ミヤちゃんは?』って」

あたしがいないところで、そんな風に自分の話をされるのは悪い気はしない。

むしろそれは嬉しくて、さっきまで行く気はなかったのに行ってもいいかな、なんて思い始めてる。

「ね? 行くよね?」

「……仕方ないなぁ」

あくまでも仕方なく、という風に見せるために、あたしは気怠げに伸びをしながらそう言った。

三人はあたしの返事を聞いて笑顔で喜んでいて、途端にあたしの世界はセピア色になる。

あたしはここにいるのに、自分のその姿を第三者になったあたしが後ろから見ているようで、顔は笑えてるのに後ろの自分は冷たい表情で、それを見下してる。

つまんないのに、抜け出したところで変わらない。だからあたしは、ここにいるしかない。
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