ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
女子高生のようにはしゃぐママの姿を見ながらさっきの、とてもじゃないけどそんな雰囲気にはならなかったあたしたちを思い返していた。
「ないよ。それにあの人、あたしらの年代じゃすごい人すぎて、そういう風に見れないよ」
「何言ってるの! あんなワイルドイケメンそうそういないんだから、これを機に捕まえておきなさい!」
「……あー、そうだね。もったいないかもね」
ママのハートをガッチリ掴んで行ったらしいトラは、もう来ることはないだろう。
ドラトラで会ったとしても話すことはない。
トラの存在はあたしの世界の均衡を壊すから、それをわかっているあたしは、調子に乗って話しかけたりしないし、ちょっと話したからって舞い上がったりしない。
あの男の価値をわかっているからこそ、あたしは今日のことを誰にも話さない。
「ないよ。それにあの人、あたしらの年代じゃすごい人すぎて、そういう風に見れないよ」
「何言ってるの! あんなワイルドイケメンそうそういないんだから、これを機に捕まえておきなさい!」
「……あー、そうだね。もったいないかもね」
ママのハートをガッチリ掴んで行ったらしいトラは、もう来ることはないだろう。
ドラトラで会ったとしても話すことはない。
トラの存在はあたしの世界の均衡を壊すから、それをわかっているあたしは、調子に乗って話しかけたりしないし、ちょっと話したからって舞い上がったりしない。
あの男の価値をわかっているからこそ、あたしは今日のことを誰にも話さない。