ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
はたから見ればただの粋がった小娘に過ぎないけど、あたしは自分がそう見られてることもわかってる。

黒髪だと顔立ちが浮いてしまうから中学のときにクリーム色に染めた髪も、見た目に釣り合うように短くしたスカートも。

全部、これはあたしが世界から取り残されないようにする武器だ。

この世界は薄情だから、遅れを取るもの、協調しないものには目もくれない。

すかさず切り捨て迫害して、気がすむまで追い詰める。

これはあたしだけじゃなく、全員がわかってて無意識のうちにあぶれないように、必死にこのくだらない世界にしがみつく。

「ねぇ? ミヤもそう思うよねぇ?」

「うん、そうだね」

突然かけられたよくわからない話題にもこうして相槌を打つのは、今更どこにも行けないあたしが、この世界で生きるために仕方ないことだ。
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