ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
「たぶん来れるのって、中学のときからの後輩だけだよな」

「え? じゃあ朝陽と海里は、あの二人と中学のときから知り合いなの?」

「うん、中高一緒だよ。って言っても、俺らが知ってるのは中学三年からの二人だけどね」

コントローラーを操作しながら、身体がゲームの中の動きとリンクするのか忙しなく動きながら、「あ⁉︎ 今のファウルだろ!」と海里が言った。

「ミヤちゃん、これでシュート、これでパス、これでロングパス」

朝陽が海里を無視して、あたしに操作方法を教えてくれる。それがおかしくて笑った。

「後輩の俺らから見ても、あの二人はいい人だよ。龍之介くんは冷たいし、虎士郎くんは後輩イジリが酷いけど。やっぱりみんなあの二人が好きだから、みんなここに集まるんだろうしね」

朝陽は二人を慕っているのか、顔を綻ばせてそう言った。
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