ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
「ん〜、……みぃちゃ、起こして」
「もぉ〜! はやく、起きて!」
力任せに伸ばされた手をグッと引っ張ると、ママが心底苦しそうな声を出し、手を離すとソファーの背もたれに寄りかかった。
「起きないんだったら知らないからね。自分で全部温めて、片付けも……」
「行くから、行くからちょっと待って……」
頭を抱えて立ち上がったママにため息を吐き、先にダイニングに行って根菜の柏汁とご飯を装った。
それをダイニングテーブルに並べて、自分の席に着いて待っていると、二日酔いで酷い顔色をしたママが、着替えて顔を洗ってきたのかTシャツの襟元を濡らしてやって来た。
「あぁぁ、たっくんと朝ご飯食べるはずだったのに……」
泰聖|《たいせい》の頭文字をとり、パパのことをたっくんと呼ぶママは、朝のことを後悔しているようでテーブルに項垂れた。
「もぉ〜! はやく、起きて!」
力任せに伸ばされた手をグッと引っ張ると、ママが心底苦しそうな声を出し、手を離すとソファーの背もたれに寄りかかった。
「起きないんだったら知らないからね。自分で全部温めて、片付けも……」
「行くから、行くからちょっと待って……」
頭を抱えて立ち上がったママにため息を吐き、先にダイニングに行って根菜の柏汁とご飯を装った。
それをダイニングテーブルに並べて、自分の席に着いて待っていると、二日酔いで酷い顔色をしたママが、着替えて顔を洗ってきたのかTシャツの襟元を濡らしてやって来た。
「あぁぁ、たっくんと朝ご飯食べるはずだったのに……」
泰聖|《たいせい》の頭文字をとり、パパのことをたっくんと呼ぶママは、朝のことを後悔しているようでテーブルに項垂れた。