ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
「行ってきます」

「行ってらっしゃーい。気をつけてね」

二人分の食器を片付けて制服に着替え、あたしは家を出た。

土日を挟んで月曜日の今日、ドラトラから先に帰った三人と、初めて顔を合わせることになる。

金曜日の二階に上がったことといい、そのあと別々に帰ったことといい、あたしは少し緊張していた。

学校に着くまでの足取りは重く、駅のホームで両耳にイヤホンを付け、ミュージックプレイヤーから音楽を流した。

今も活動を続けている海外の有名なロックバンドのアルバムを、ランダムで流し続ける。

彼らの曲はアルバム毎に全くと言っていいほど音楽性を変えるので、聞いていてワクワクする。

その音楽性やカリスマ性に魅了されたあたしは、結構根強いファンであり、彼らが作り上げる音楽や独自の世界観、哲学が反映された詞がとても好きだ。
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