ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
「あっ、ねぇ、ミヤ。金曜日何してたの?」

態とらしく金曜日の話を持ち出してきた紗理奈は、あたしの反応を見逃さないように、グレーのカラーコンタクトを入れた目でジッとあたしを見た。

「何って、朝陽たちとゲームしてただけだよ。そのあとすぐ帰ったし」

「ふーん。リューノスケさんとコジローさんは? 会わなかったの?」

「二階って部屋が一つだけじゃなくていくつかあるの。だからあの二人とは会ってないよ」

本当のことを言ってしまえば、目に見えて面倒になりそうなことが予想できた。

だからあたしは嘘をついた。

「そうなんだぁ。あたしらもね、あの後タカさんとタカさんの友達二人が、ご飯連れてってくれてさぁ」

「言ってたね」

「うん。それで、そこにいたタカさんの友達の、地元の友達にも会ってね、楽しかった」

そんな世間話がしたいわけじゃないだろうに、紗理奈は笑って金曜日のことを話し始めた。
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