ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
「ミヤってさぁ、地元の北中だったって、言ってたよね?」
あたしの地元には、地区ごとに通う中学が北、東、南という風に決まっている。
紗理奈と出会った一年の頃に、この話をしたことを思い出した。
「うん、そうだけど」
「カナミさんとマリさん、知ってる?」
その名前を聞いて、昔の記憶が引き出されると同時に、全身が恐怖で慄いた。
思わず顔が強張ってしまったのを見逃さなかった紗理奈が、あたしを馬鹿にするようにクスリと笑った。
「その友達って、カナミさんとマリさんのことなんだけどさ、ミヤのこと知ってたよ。仲悪かったみたいだね」
カナミさんとマリさんとは、あたしが中学生だった頃の一つ年上の先輩のことで、なんとなく紗理奈たちの魂胆が読めてしまったあたしは息が詰まるような感覚に陥った。
あたしの地元には、地区ごとに通う中学が北、東、南という風に決まっている。
紗理奈と出会った一年の頃に、この話をしたことを思い出した。
「うん、そうだけど」
「カナミさんとマリさん、知ってる?」
その名前を聞いて、昔の記憶が引き出されると同時に、全身が恐怖で慄いた。
思わず顔が強張ってしまったのを見逃さなかった紗理奈が、あたしを馬鹿にするようにクスリと笑った。
「その友達って、カナミさんとマリさんのことなんだけどさ、ミヤのこと知ってたよ。仲悪かったみたいだね」
カナミさんとマリさんとは、あたしが中学生だった頃の一つ年上の先輩のことで、なんとなく紗理奈たちの魂胆が読めてしまったあたしは息が詰まるような感覚に陥った。