海よりも深くて波よりも透明
えっ…てことは…。



「ほんと!? 夏葉呼んでいい!?」



あたしが身を乗り出し気味にパパに聞く。



「……好きにしろ」



やったー!



こんな一瞬で許可もらえると思わなかった!



それだけ夏葉が信用あるってこと…?



夏葉とお泊まり嬉しい…。



でも、夏葉に電話して早速伝えると、夏葉は「…却下」とあたしを一蹴。



なんで!?



「穂風の実家でなにか出来るわけねえから」



そう言う夏葉。



「へたれ!」

「お前…俺の身にもなってみろよ…」



そんなの知らないもん…。



夏葉と一緒にいたいだけなのに…。



あたしがシュンとしたら、夏葉が「はあ」とため息をついた。



「じゃ、俺んちは?」

「夏葉の家?」

「穂風と一緒にいてえのは俺も同じだから。つーか多分、俺の方がその気持ち強いし」



夏葉…。



きゅんした…。



というわけで、ちゃんと親に泊まる許可をもらえという夏葉の言葉のもと、寝てるパパを早速起こしに行った。



「パパ! 前言撤回! やっぱり夏葉の家に行く!」

「は…? お前、それは違えだろ…」



めちゃくちゃ眉間に皺を寄せるパパ。



ちょっと怖いけど、ごねまくったら何とか許可をくれた。



パパは物すごーく嫌そうだったけどね。



知ーらない。



夏葉とお泊まりだ…。



前に合宿行ったときとは違う。



正真正銘のお泊まり!



ってことは…この前の続き…?



きゃあああ!



不思議と怖いっていう感覚はなくて。



早く夏葉に触れたいなんてそんなことを考えていた。
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