海よりも深くて波よりも透明
結果が出た。



《Bronze, America,Ehime Shimada(銅メダル、アメリカ、島田愛姫)》



結果を知らせるアナウンスが入る。



《Silver, Brazil, Sophia Pereira(銀メダル、ブラジル、ソフィア・ペレイラ)》

《Gold, Japan, Mikaze Iwasaki(金メダル、日本、岩崎穂風)》



穂風が優勝した。



しかも、自己最高得点。



穂風が涙を溢れさせている。



俺は思わずそんな穂風の顔を撮る。



よくやったな、穂風…。



俺も心の底から嬉しくて。



表彰式を終えた穂風が俺のところに走ってきた。



勢いよく俺の首にしがみついて抱っこの状態になる。



「危ね…」



言いながら、俺も穂風のことを全力で抱きしめ返した。



周囲から歓声と拍手が湧き上がる。



「やったよ、夏葉~…。優勝だけじゃない、自己最高得点!」



穂風の後頭部を撫でる。



穂風が体を少し離して俺を上から見た。



俺はそんな穂風にキスをする。



穂風が涙を浮かべながら嬉しそうな顔で笑って、今度は穂風から俺に濃厚なキスした。



ったくこいつは…。



「夏葉、約束の金メダルのプレゼント!」

「まじ最高だなお前」

「へへ! 喜んだ?」

「まじやべえ」

「やった!」



いつでも全力な穂風。



その穂風が、また新たに自分の壁を乗り越えて、目標を達成した。



俺の彼女は最高にまぶしい。
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