海よりも深くて波よりも透明
「(で、話なんだけどね)」
「(うん?)」
「(あいつやめて、俺と付き合わない?)」
「(…はい!?)」
なんの話!?
あたしは意味が分からず軽くパニック。
「(どういう意味?)」
「(そのまんまだよ。穂風のこと、昔からずっと好きだったんだ)」
「(嘘でしょ!?)」
「(嘘だと思う?)」
いつもみたいにニコニコしてるカイ。
でも、その目の奥が真剣なことに気がつく…。
冗談じゃないんだ…。
「(やっぱり気づいてなかったんだね。ちょっとは期待したけど残念だな)」
そう言ってちょっと肩をすくめるカイ。
「(カイ…。ごめんね、あたし、カイのことをそういう風に見たことは一度もない…)」
あたしははっきりとそう言った。
カイのことはお兄ちゃんみたいな存在としか思ってこなかったもん…。
カイは寂しそうに微笑んだ。
「(分かってる。俺もはっきりと何かをしてはこなかったから)」
「…」
「(穂風が初めて他の男を彼氏と呼んで、その男にあんな表情、あんな行動をしているのを今日見せつけられてようやく、自分の気持ちに蹴りをつけなきゃって思ったんだ)」
こんな切ない表情のカイは見たことがない。
そんな風に思わせていたなんて、全く気づきもしないで。
ごめんね、カイ…。
「(好きだよ、穂風)」
カイはもう一度あたしにそう言った。
「(カイ、ありがとう。…ごめんね)」
「(うん、分かってる。彼氏のところに戻りな。でも最後にこれだけ!)」
カイがそう言って、笑顔であたしを一瞬ガバッと抱きしめた。
何してんの!?
思わずカイを強めの力で殴る。
「Oh my god…」
「(オーマイガーじゃないよ! バカ!)」
「I’m so sorry」
謝りながら、カイは少し切ない表情で、いつもみたいにニコニコ笑ってた。
「See you」
カイがそう言ってあたしに手を振った。
そんなカイに、あたしも軽く片手をあげてからくるっと振り向いてカイに背を向けた。
そのままホテルに歩き始める。
早く夏葉に会いたい。
「(うん?)」
「(あいつやめて、俺と付き合わない?)」
「(…はい!?)」
なんの話!?
あたしは意味が分からず軽くパニック。
「(どういう意味?)」
「(そのまんまだよ。穂風のこと、昔からずっと好きだったんだ)」
「(嘘でしょ!?)」
「(嘘だと思う?)」
いつもみたいにニコニコしてるカイ。
でも、その目の奥が真剣なことに気がつく…。
冗談じゃないんだ…。
「(やっぱり気づいてなかったんだね。ちょっとは期待したけど残念だな)」
そう言ってちょっと肩をすくめるカイ。
「(カイ…。ごめんね、あたし、カイのことをそういう風に見たことは一度もない…)」
あたしははっきりとそう言った。
カイのことはお兄ちゃんみたいな存在としか思ってこなかったもん…。
カイは寂しそうに微笑んだ。
「(分かってる。俺もはっきりと何かをしてはこなかったから)」
「…」
「(穂風が初めて他の男を彼氏と呼んで、その男にあんな表情、あんな行動をしているのを今日見せつけられてようやく、自分の気持ちに蹴りをつけなきゃって思ったんだ)」
こんな切ない表情のカイは見たことがない。
そんな風に思わせていたなんて、全く気づきもしないで。
ごめんね、カイ…。
「(好きだよ、穂風)」
カイはもう一度あたしにそう言った。
「(カイ、ありがとう。…ごめんね)」
「(うん、分かってる。彼氏のところに戻りな。でも最後にこれだけ!)」
カイがそう言って、笑顔であたしを一瞬ガバッと抱きしめた。
何してんの!?
思わずカイを強めの力で殴る。
「Oh my god…」
「(オーマイガーじゃないよ! バカ!)」
「I’m so sorry」
謝りながら、カイは少し切ない表情で、いつもみたいにニコニコ笑ってた。
「See you」
カイがそう言ってあたしに手を振った。
そんなカイに、あたしも軽く片手をあげてからくるっと振り向いてカイに背を向けた。
そのままホテルに歩き始める。
早く夏葉に会いたい。