海よりも深くて波よりも透明
夏葉と深くまでつながっている感覚が心地良い…。



夏葉が、動きながらあたしの耳に唇を落とした。



ぞわぞわっとする感覚。



まだちょっと痛いけど、痛さより気持ちよさの方が勝つ…。



それに…。



夏葉から触れられるだけで悦びが身体中を駆け巡って。



身体の重みや振動に吐息、かすかに感じる痛みまでもが愛おしい。



セックスは快楽のためだけにやるわけではないって、その日知った…。



こんなに幸せな感覚がこの世にあるんだって、夏葉が教えてくれた。



次の日は、夏葉がわざわざカイの部屋まで行って、出てきたカイを一発殴ってた。



カイは苦笑いしてたけど。



カイが悪いからね!



でもこれで本当にケリがつけられたってカイは言ってた。



それから、夏葉とデート。



現地のサーフショップで夏葉が欲しがったサーフボードのケースを誕生日プレゼントに買ってあげて。



2人きりで一日楽しんでから、学校のあるあたしはその日に帰国した。



ニュージーランドは最高の思い出がつまった場所になった。
< 145 / 267 >

この作品をシェア

pagetop