海よりも深くて波よりも透明
その夏葉の見たことない表情と声に、愛おしさが止まらない…。



んん~…好きすぎて苦しい~…。



2人で果てて、夏葉の胸に体重を預けた。



あたしの心臓の音なのか、夏葉の音なのか。



ドクドクとした心臓の音が重なり合ってる。



「穂風」

「うん?」



夏葉の声に顔をあげるとキスされた。



あたしの頬を撫でる。



ドキドキ止まんない…。



「すげえ好きなんだけど?」

「こっちのセリフ…」



それからしばらく2人で動けずベッドの上。



Tシャツを1枚だけ着て、ごはんを作る気力もないので出前を頼んだ。



なんかめちゃくちゃ幸せ。



こんなに好きでいいのかなってくらいだ。



「あーんして?」



あたしがそう言うと口をあける夏葉。



一瞬ごはんを食べさせる振りをしてからベロチューをかました。



満面の笑顔で夏葉を見る。



「お前そんな技どこで覚えてきた?」

「んー?」

「もっとすげえの教えてやろうか?」



夏葉がそう言ってあたしにめちゃくちゃなキスを…。



身体ごと全部食べ尽くされそうな感じ。



さっきで疲れ果てたのにまたしたくなっちゃったじゃん…。



疲れたからもうしないけど…。



「夏葉、はやく腕治してね?」

「何それ、エロい意味?」

「うん」

「はあ…。俺が育て間違えた?」



そうかもね?



でもあたしは夏葉にならどんな風に育てられてもいいもん。



ぜーんぶ夏葉にあげたい。



笑う夏葉に、両手で頬を掴んでもう一度キスした。



できることなら夏葉のことを吸収したいな。



それくらい夏葉のことが大好きだ。
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