海よりも深くて波よりも透明

波のざわつき

～穂風～

季節は流れ、今日は高校の卒業式。



校長先生の長い話をひたすら我慢して聞いてるあたし。



隣のリアも、最初はそこそこ真剣な顔をして聞いてたけど、今は「そんな長話しても意味なくね？」という顔をしている。



ようやく校長先生の話が終わり、来賓の話も終わって、卒業証書の授与。



学年首席のリアが代表して卒業証書を受け取り、卒業式は無事に終了した。



卒業式のあとは、クラスの子たちとか親とかと校庭で写真撮ったり。



なんと、パパとママが夏葉をカメラマンとして派遣したので夏葉が来てる。



「忙しいのに悪いね」

「いえ、全然」



なんか制服着て学校で夏葉にこうやって写真撮られるの照れるな…。



校門の前で家族写真撮って。



リアとも撮ってもらったり、クラスの子たちとも。



見せてもらった写真は、あたし達がキラキラ輝いてるみたいだ。



「あんたほんと腕いいね。穂風の成人式の写真も撮ってよ」



ママが夏葉に言った。



「いいんすか！？」

「夏葉が良ければね」

「それすげえ嬉しいっす…」



照れるけどあたしもそれ嬉しいな…。



記念すべき20歳の振袖の写真を夏葉に撮られるってことでしょ！？



うわ、楽しみ！



にしても、あたしの両親と夏葉、大晦日以降、前よりもちょっとだけ仲良くなってる気がする。



夏葉、ママとパパに怯えてたけど前ほどそんな感じでもなくなったし！



今も、夏葉とパパが、撮った写真を2人で眺めてたり。



嬉しいな～ 。



しばらく、写真を撮ったりクラスの子たちとお話したりしてから、帰ることになった。



高校生活、楽しかったな…。



次は大学生。



どんなことが待ってるのか楽しみだ。



門限も緩くなるし？



夏葉といちゃつき放題！？



楽しみ！



青春を過ごした高校を、あたしはこの日卒業した。