海よりも深くて波よりも透明
穂風の首筋に唇を落とすと、穂風がぴくっとした。



可愛い…。



「くすぐったい…」



そう言う穂風を無視して、首筋に唇を這わせる。



穂風が体ごとくるっと振り向いた。



俺の両肩に手をやってキスしようとする。



しかし、目線が俺の後ろに移った。



破れたウェットスーツを見た穂風が、「う゛~~」と、そのまま俺の肩に顔を落とす。



「普通にショックなんだけど! 買ったばっかなのに!」

「まじ可哀想…」



俺はなだめるように穂風の後頭部を軽くなでた。



「髪洗うか」

「ん~~」



ぽん、と軽く穂風の頭に手を乗せて、2人で湯船から出た。



「ん、目つぶって」

「うん」



穂風の頭からシャワーをかける。



シャンプーで泡立てて洗ってく。



「夏葉の手気持ちいいね」

「おい、卑猥なこと言うなよ」

「卑猥なのは夏葉でしょ…」



なんて言いながら穂風の頭を洗い、ついでにボディソープで体も洗う。



「至れり尽くせりだね」

「姫だからな~」

「彼女のことお姫様扱いとかバカップルじゃん…」



もうなんでもいいわ…。



そんなこと言いながら、穂風も俺の髪と体を洗って、ようやく風呂を上がった。



用意してある浴衣を着て、穂風の長い髪を乾かしてやる。



「ん、完璧」

「ありがと!」



穂風が立ち上がって、プロテインをごくごく飲み始めた。



世界選手権に向けて筋力作りだろう。



色気ねえな…。



でも、浴衣はエロい…。



プロテインを飲み終えた穂風の腰元を引き寄せた。
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