海よりも深くて波よりも透明
「なに?」

「キスして?」

「なんで?」

「してえから」

「いいよ!」



そう言って穂風が背伸びして俺にキス。



まじ可愛い女だ。



穂風の頭を片手で押さえてキスしつつ、足の方に手を伸ばした。



「どこ触ってんの…」

「さあな」

「夏葉ってそんなエロかった?」

「お前もう18だし高校も卒業したから、俺の中で1個重りが減った感は否めねえな」



今までは高校生相手だったからそういうことには気遣ってたし。



自分の中で気持ち的に前より手出しやすくなったのは事実。



ま、大切にはしてますけど。



と言いながらも…。



「壁に手ついて」

「ん…」



2人で立ったまま。



穂風も満更でもなさそうだ。



「なつは…」

「ん」

「もっ、だめ…」



穂風の足の力がガクっと抜けた。



片手で穂風を支える。



「おつかれ」



ゆっくりと穂風をこっちに向かせてキスをした。



「えっろい顔だな…」

「なに…」



人に見られたら今まで何してたかバレバレの顔だ…。



そのとき、部屋の外から「失礼します、お食事をお持ちしました」という声が聞こえた。



瞬間、俺と穂風は顔を見合わせた。



やっべ、食事来んの忘れてた!



俺も穂風も浴衣乱れまくりの上に、穂風はこの顔。



「穂風ちょっと風呂場隠れてろ」



穂風を風呂場に隠し、俺は慌てて浴衣を直す。
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