海よりも深くて波よりも透明
「あ、はい。何のサークルですか…?」

「まあ簡単に言うと、色んな遊びしてみよーって感じのサークルだね」

「はあ」

「今日はキャンパスの近くをお散歩してみる予定だよ」



なんかよくわからないけど、とりあえず参加してみることにした。



「わ、こんなところに川あるんだ!」

「綺麗な花~」



本当にただ散歩してるだけ。



でもなんか楽しい。



サークルの人たちも良い人ばっかりだし!



「今日はどうだった?」



散歩が終わって部室に戻ったあたしは、先輩にそう聞かれる。



「楽しかったです! 入ってもいいですか…?」

「もちろん! 気が向いたときだけ来てくれたらいいからね」



やった~。



なんかワクワクしてきたかも!



大学から帰ったあたしは、夏葉の家へ。



実は、今日はあたしの19歳の誕生日!



今年も夏葉の家で2人でお祝いだ。



アパート前に行くと、夏葉が何やら車のメンテナンスをしてる。



「ただいま」

「ん、穂風。おかえり」



夏葉を置いて2階に上がり、夏葉の部屋に入る。



しばらくくつろいでたら夏葉が入ってきた。



「悪い、待たせた。腹減っただろ」

「んーん、大丈夫~」

「なに食いたい?」

「なんか誕生日っぽいの!」

「任せろ」



わーい。



台所で料理をする夏葉にまとわりつくあたし。



「ねえ見てこれ。大学の近くにこんな綺麗なとこあったの」

「へー、いいな」

「夏葉に見せたくて写真撮った!」

「はは、ありがとな」



写真見せたり、今日の話をしたり。



夏葉は料理を手際よく進めながら聞いてくれる。
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