海よりも深くて波よりも透明
浅瀬に裸足
~穂風~
夏休みはまだまだ続く。
大学生の夏休みは長すぎて、一生このままなんじゃないかという気がしてくる。
今日はサークル!
何をするのか知らないけど部室が開いてるらしいので行くことにした。
「えっ、バーベキューですか?」
「そう! 今から車で行くよー」
そういう先輩に言われるがまま、部室に置いてあるバーベキュー道具を持って、10人くらいで分かれて車に乗り込んだ。
夏葉と親以外の車に乗るのは初めてだ。
目的地も分からないまま車に乗っていると、見慣れた道…。
まさか…。
「到着~! 鎌倉~!」
着いたのは、行き慣れた鎌倉の海。
オリンピック以来、あたしは海を避けていたので、来るのは本当に久しぶりだ。
なんかドキドキしてきた…。
このドキドキの意味は、恐怖心からか、久しぶりに来た高揚感か…。
わからない…。
サークルの人たちには、あたしがサーファーなことは言ってない。
サーファーがあたしのアイデンティティそのものだったのに、なぜか言えなくて…。
あたしが固まってると、亜湖さんが不思議そうにあたしの顔を覗きこんだ。
「どうしたの?」
「あ…いえ、なんでもないです」
そう言い、テキパキと準備を始める先輩達と一緒に準備を手伝った。
チラチラと海岸の様子を見渡すと、オフショア(※陸から海に向かって吹く、サーフィンに適した風)で波の状態が良い。
なんだか胸の鼓動が早まった気がした。
それから、胸のドキドキを隠すようにして、バーベキューを楽しんだ。
しばらく経って、バーベキューも終盤の雰囲気になった頃、暇を持て余した先輩たちが興味深そうにサーフィンを眺め始めた。
「すげえな…。よく知らないけど、なんかあの人上手い気がする」
「本当だ。かっこい~」
その言葉に海の方を見ると、悠星くん…。
気持ちよさそうに波乗りをする悠星くんを見ていたら、余計に胸が騒いだ。
しばらくぼーっと見てたら、遠目から悠星くんがあたしに気がついた。
あたしに手を振ってくる。
夏休みはまだまだ続く。
大学生の夏休みは長すぎて、一生このままなんじゃないかという気がしてくる。
今日はサークル!
何をするのか知らないけど部室が開いてるらしいので行くことにした。
「えっ、バーベキューですか?」
「そう! 今から車で行くよー」
そういう先輩に言われるがまま、部室に置いてあるバーベキュー道具を持って、10人くらいで分かれて車に乗り込んだ。
夏葉と親以外の車に乗るのは初めてだ。
目的地も分からないまま車に乗っていると、見慣れた道…。
まさか…。
「到着~! 鎌倉~!」
着いたのは、行き慣れた鎌倉の海。
オリンピック以来、あたしは海を避けていたので、来るのは本当に久しぶりだ。
なんかドキドキしてきた…。
このドキドキの意味は、恐怖心からか、久しぶりに来た高揚感か…。
わからない…。
サークルの人たちには、あたしがサーファーなことは言ってない。
サーファーがあたしのアイデンティティそのものだったのに、なぜか言えなくて…。
あたしが固まってると、亜湖さんが不思議そうにあたしの顔を覗きこんだ。
「どうしたの?」
「あ…いえ、なんでもないです」
そう言い、テキパキと準備を始める先輩達と一緒に準備を手伝った。
チラチラと海岸の様子を見渡すと、オフショア(※陸から海に向かって吹く、サーフィンに適した風)で波の状態が良い。
なんだか胸の鼓動が早まった気がした。
それから、胸のドキドキを隠すようにして、バーベキューを楽しんだ。
しばらく経って、バーベキューも終盤の雰囲気になった頃、暇を持て余した先輩たちが興味深そうにサーフィンを眺め始めた。
「すげえな…。よく知らないけど、なんかあの人上手い気がする」
「本当だ。かっこい~」
その言葉に海の方を見ると、悠星くん…。
気持ちよさそうに波乗りをする悠星くんを見ていたら、余計に胸が騒いだ。
しばらくぼーっと見てたら、遠目から悠星くんがあたしに気がついた。
あたしに手を振ってくる。