海よりも深くて波よりも透明
「ねえねえ…」
穂風が俺の手をきゅっと掴んで俺をじっと見た。
「やっぱりさ…。ショートじゃなくて。あたしの一番の、ロングボードをさ…」
「うん?」
「夏葉にこうやって綺麗に撮ってもらいたい…」
穂風…。
「まだロングやるの、ちょっと怖いよ? でも、夏葉にそうやって撮ってもらったら自信になると思うし、撮ってもらうためにやると思ったら勇気も出るかもしれない…」
穂風がちょっと弱い声で、でも力強い目でそう言った。
俺が、穂風をロングに戻せる…?
「え、夏葉…?」
穂風が少し驚いてる表情を見てから、自分がちょっと泣いてることに気がついた。
やっぱり穂風がこうやって、一番大事にしてるロングに戻れることが、それが俺をきっかけにっていうのが、物凄く嬉しいのかもしれない…。
多分…すっげえ愛してるんだな…。
穂風も俺につられて泣いて。
俺が、最高に良い写真で穂風をロングに復帰させてやるから。
それから1ヶ月後。
俺が撮った、穂風のロング復帰後初の写真は、世界でかなり評価された。
もちろん、穂風の完全復帰という面がでかいと思うが、サーフ界では相当有名な写真になった。
『ミカゼの素質を生き生きと見せた素晴らしい躍動感に加え、しぶきの白と空の青、海の青とサーフボードの緑の対比が美しい』
そう芸術性を高く評価してくれる世界の評論家達…。
穂風のサーフボードは、それまで使っていたパキッとした赤のボードから、美しいエメラルドグリーンに変わった。
新しく生まれ変わるという意味を込めて、そよ子さんと龍臣さんに相談して、俺から贈った。
色は、穂風からの「夏の葉っぱの色がいい!」という要望で。
どんだけ俺のこと好きなんだよ。
だけど、それだけ俺が穂風に勇気を与えられてると思うと素直に嬉しい。
俺と穂風は、そうして2人で世界に新しく足を踏み入れた。
穂風が俺の手をきゅっと掴んで俺をじっと見た。
「やっぱりさ…。ショートじゃなくて。あたしの一番の、ロングボードをさ…」
「うん?」
「夏葉にこうやって綺麗に撮ってもらいたい…」
穂風…。
「まだロングやるの、ちょっと怖いよ? でも、夏葉にそうやって撮ってもらったら自信になると思うし、撮ってもらうためにやると思ったら勇気も出るかもしれない…」
穂風がちょっと弱い声で、でも力強い目でそう言った。
俺が、穂風をロングに戻せる…?
「え、夏葉…?」
穂風が少し驚いてる表情を見てから、自分がちょっと泣いてることに気がついた。
やっぱり穂風がこうやって、一番大事にしてるロングに戻れることが、それが俺をきっかけにっていうのが、物凄く嬉しいのかもしれない…。
多分…すっげえ愛してるんだな…。
穂風も俺につられて泣いて。
俺が、最高に良い写真で穂風をロングに復帰させてやるから。
それから1ヶ月後。
俺が撮った、穂風のロング復帰後初の写真は、世界でかなり評価された。
もちろん、穂風の完全復帰という面がでかいと思うが、サーフ界では相当有名な写真になった。
『ミカゼの素質を生き生きと見せた素晴らしい躍動感に加え、しぶきの白と空の青、海の青とサーフボードの緑の対比が美しい』
そう芸術性を高く評価してくれる世界の評論家達…。
穂風のサーフボードは、それまで使っていたパキッとした赤のボードから、美しいエメラルドグリーンに変わった。
新しく生まれ変わるという意味を込めて、そよ子さんと龍臣さんに相談して、俺から贈った。
色は、穂風からの「夏の葉っぱの色がいい!」という要望で。
どんだけ俺のこと好きなんだよ。
だけど、それだけ俺が穂風に勇気を与えられてると思うと素直に嬉しい。
俺と穂風は、そうして2人で世界に新しく足を踏み入れた。