海よりも深くて波よりも透明

岬口

~夏葉~

仕事で3泊ほど宮崎にいる俺。



宮崎は杉下真恋の拠点でもあるので当然会うわけで。



「お疲れ様です~。このあとご飯行きません!?」

「サシは無理」



というわけでもう2,3人仲間を集めて飯に行った。



宮崎は今日で最終日。明日の朝イチの飛行機で帰る。



飯に行ってからホテルに戻り、穂風に電話した。



≪はいはーい≫

「何してた?」

≪筋トレ! もう終わって寝るけどね。夏葉は?≫

「飯行ってた」

≪ふーん…。真恋と?≫

「まあ…」



穂風の機嫌が悪くなった。



嫉妬深い姫だな…。



≪あの子嫌い…。ぶりっ子じゃん≫

「あ、でもサシじゃねえよ?」

≪当たり前じゃん! 2人でご飯食べてたら夏葉としばらく口利かないとこだよ!≫



別に2人で飯食ったって1mmも眼中にないのには変わらねえけどな。



でも俺も逆の立場なら嫌だから穂風の気持ちも分かる。



≪じゃあおやすみ~≫

「ん、おやすみ」



しばらく話してから電話を切った。



寝ようと思って電気を消したところで、スマホに着信が入る。



穂風がなんか言い忘れか?



「どうし…」

≪Hi, Natsuha≫



ん!?



誰だ!?



スマホのディスプレイを確認した。



リアムだ…。



「 (どうしました?)」

≪(元気か?)≫

「(まあ…)」

≪(俺も元気だ)≫



何だこの人…。



酔ってんのか…?
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