海よりも深くて波よりも透明
それからまた数日。



今日も朝から波乗りだ。



リビングに下りたら、ママも今から海に行くところらしかった。



「今日どこまで行くの?」

「今日は御前崎に行こうと思ってるけど。あんたも行く?」

「行く!」



というわけで今日はママとサーフィンです。



ママの運転に揺られてしばしドライブ…。



「夏葉元気?」

「うん、今日も写真来たよ。見て」



運転中のママに写真を見せる。



ママはちらっと見て「へー。いいじゃん」と言った。



絶対ちゃんと見てない!



まあいいけど…。



目的地に着いてからはひたすら波乗り。



今日は人も少なくて乗り放題だ。



それにしても、ママのサーフィン久しぶりに見たな。



ママは一流のシェイパーなだけあって波を読むのもすごく上手い。



波乗りのフォームもいいし、あと関係ないけどスタイルもいい。



スーパーママって感じだ。



だからこそプレッシャーも強くてしんどいときもあったんだけどね。



でもママとパパのおかげで今のあたしがあるとも思ってる。



昼過ぎに一度海から上がった。



ママとお昼ご飯を食べに行こうとしたら、夏葉から電話がかかってきた。



向こうは今は夜かな?



「もしもーし」

≪何してた?≫

「今日はママと御前崎まで来てたよん。写真今日のも超良かった!」

≪ははっ。それは良かった≫



それから何気ない会話。



しばらく話してから、夏葉が≪あ、そうそう…≫と言った。
< 275 / 328 >

この作品をシェア

pagetop