海よりも深くて波よりも透明
津波にテトラポッド
~夏葉~
最悪のタイミングで来た千咲。
泣きながら走ってホテルに行く穂風を追いかけようとしたら、千咲に腕を引いて止められた。
「夏葉、待って、行かないで…」
「は? お前、いくらなんでもそれはないわ」
冷たくそう言って、千咲の腕をほどいて穂風のホテルまで走った。
「穂風、悪かった。まじでごめん」
そう言いながら穂風の部屋のドアをノックする。
「知らない! あっち行って!」
部屋の中からそう聞こえる。
鍵が閉まっていて中にも入れない…。
何回か電話もしたけど、当然ながら出ない。
まいったな…。
ホテルの部屋の前でしばらく立ってたらリアムから電話が来た。
≪(お前今どこ? 穂風とイチャついてんじゃねえだろうな)≫
「(いや…)」
リアムに事情を説明した。
リアムはそれを聞いてため息。
≪(チサキちゃんに、その日は夏葉の彼女が来るから行かねえほうがいいっつったのにな…)≫
おい!
お前のせいじゃねえか!
いや、今までずっと言わなかった俺が悪いけど…。
にしても、千咲…。
穂風がいる日を選んでわざわざ来たのか…。
まじで困った。
悪いけど、千咲のことは別れてからほとんど思い出してない。
だから千咲が俺にまだ未練があるとかも考えたことがない。
穂風を傷つけることだけはまじでしたくなかったのに…。
しばらく穂風の部屋の前で立ってたら、ホテルマンに警戒され始めた。
高級ホテルだし警備も厳しい…。
「穂風、いったん中入れて」
「やだ…」
「うーん…。じゃあまた明日来るから…。今日はまじでごめん。早く穂風に会いてえけど…いったん帰るな」
「…」
黙る穂風を気にしつつ、ホテルをあとにした。
最悪のタイミングで来た千咲。
泣きながら走ってホテルに行く穂風を追いかけようとしたら、千咲に腕を引いて止められた。
「夏葉、待って、行かないで…」
「は? お前、いくらなんでもそれはないわ」
冷たくそう言って、千咲の腕をほどいて穂風のホテルまで走った。
「穂風、悪かった。まじでごめん」
そう言いながら穂風の部屋のドアをノックする。
「知らない! あっち行って!」
部屋の中からそう聞こえる。
鍵が閉まっていて中にも入れない…。
何回か電話もしたけど、当然ながら出ない。
まいったな…。
ホテルの部屋の前でしばらく立ってたらリアムから電話が来た。
≪(お前今どこ? 穂風とイチャついてんじゃねえだろうな)≫
「(いや…)」
リアムに事情を説明した。
リアムはそれを聞いてため息。
≪(チサキちゃんに、その日は夏葉の彼女が来るから行かねえほうがいいっつったのにな…)≫
おい!
お前のせいじゃねえか!
いや、今までずっと言わなかった俺が悪いけど…。
にしても、千咲…。
穂風がいる日を選んでわざわざ来たのか…。
まじで困った。
悪いけど、千咲のことは別れてからほとんど思い出してない。
だから千咲が俺にまだ未練があるとかも考えたことがない。
穂風を傷つけることだけはまじでしたくなかったのに…。
しばらく穂風の部屋の前で立ってたら、ホテルマンに警戒され始めた。
高級ホテルだし警備も厳しい…。
「穂風、いったん中入れて」
「やだ…」
「うーん…。じゃあまた明日来るから…。今日はまじでごめん。早く穂風に会いてえけど…いったん帰るな」
「…」
黙る穂風を気にしつつ、ホテルをあとにした。