海よりも深くて波よりも透明
「風呂入ろう」

「うん…」



お風呂でもずっとチュー。



夏葉があたしの耳をずっと攻めてくる。



「んぁっ…」



やばいよ~…。



「まじ穂風…かわいい」

「夏葉こそっ…大好きっ…」

「ん…もっとキス」



求められるまま。



お風呂から上がって、あたしの腕をぐっと引いてベッドに横になる夏葉。



あたしが夏葉を押し倒す形になった。



夏葉が愛おしそうにあたしの頭を撫でまわす。



「俺だけの穂風…」

「うん、夏葉だけ…」

「すっげえ好きだ、穂風…」



それから夏葉の上に乗せられて、お互いめちゃくちゃになった。



「んっ…」



夏葉からふいに漏れる声がさらにあたしの胸をきゅーんと締め付けた。



痛いくらいのきゅん…。



大好き…。



最中にも夏葉から頭を撫でられる。



それから目、鼻、口といろんなところを触られて、体中の全細胞がおかしくなりそうだった。



2人で果てて、向かい合わせで横になると、夏葉が腕枕をしてくれる。



夏葉の唇にキスをした。



それから胸にキスマークを落とす。



そのあと夏葉の頭をやさしく撫でたら、夏葉が「もっと」と言わんばかりにあたしの腕を持ってさらに強く撫でさせた。



かわいい…。



こんなかわいいこともするんだ、夏葉って…。



こんな甘えてくる夏葉、初めて見たかも…。



大好きがあふれて仕方がない。



「ずっとこうしててえな…」

「うん…。離れたくない…」

「明日、帰らないでここにいろよ」

「そうしてもいい?」



本気でそうしようかと思った。



こんなに幸せでどうやって一人で帰ればいいの?



夏葉が束の間でも帰らなくていいって言ってくれるから、あたしは嬉しくなった。
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