海よりも深くて波よりも透明
「あたしと結婚してください!」

「ん、よろしくな…」



泣いている穂風をなだめるように、後ろ頭を優しく撫でる。



穂風が体を離して俺の顔を見た。



2人で引かれあうようにキスをした。



何度も何度も唇を重ねる。



ああ…。



幸せだ…。



「指…嵌めて?」



穂風の指に指輪を通す。



サイズは把握していたのでもちろんぴったり。



穂風の指で綺麗に輝くそれは、何よりも美しく思えた。



「いつから考えてくれてたの…」

「日本を出てすぐ。やっぱり俺には穂風が必要だと思って、日本に戻ったら真っ先に言おうと思ってた」

「そんな前から…」



穂風の涙は止まらない。



俺はそんな穂風の涙を指でぬぐって、またキスした。



「大好き…」

「俺は愛してるけどな」

「あたしも愛してるよ!」



穂風がそうやって幸せそうに笑ってくれるのが一番嬉しい。



穂風は俺の人生で最愛の人だ。



これからもずっと、穂風が笑っているのを横で見ていたい。



これからもよろしくな、穂風。
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