海よりも深くて波よりも透明
「おい、風呂入るぞ~」

「動けない~夏葉が入れて~」

「わがまま…」



夏葉は呆れた顔。



「はい、万歳して」

「…」



言われるがまま、ベッドに寝転んだ状態で両手を上げる。



夏葉があたしの服を引っ張って脱がせる。



そのまま全部脱がされたあたしは、「ほら、入るぞ」と夏葉に抱きかかえられた。



「きゃ~恥ずかし~」

「思ってもないことを…」



それからバスルームに立たされ、そのままされるがまま…。



頭を洗って体を洗って…。



「そこくすぐったい…」

「じゃあ自分でやれよ…」

「やだ~」



なんか楽しいなー!



全部洗ってくれたから、今度はあたしが夏葉のことも洗ってあげる。



それからお湯につかった。



「あわあわ~」



そう言って泡を夏葉の頭に乗せた。



「ほんと、いつまで経ってもガキだな…」

「でもそんなあたしが好きでしょ」

「ははっ、だな」



夏葉とのキスは幸せの象徴みたいだ。



しばらくお風呂でイチャイチャしてからお風呂を上がって。



「乾かして~」



夏葉に髪を乾かしてもらう。



この大きくて包容力のある手も大好き。



「ん、終わった」

「ありがと!」



それから夏葉の上に乗っかって、夏葉の顔をのぞきこんだ。



「なんだよ…」

「老けたね」

「お前もな」



やっぱり?



でもそれだけ夏葉と一緒にいるってことだ。
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