海よりも深くて波よりも透明
高校3年生のときに出会って。



そこからずっと一緒だ。



「でもあたしはまだ若いけどね!」

「俺この前自分に白髪発見してちょっとテンション下がった…」

「でも夏葉って年とってもかっこいいよね。イケオジって感じ」

「まだオジって年齢でもねえだろ…やめてくれ…」



どんなに老けても夏葉のことは愛してるよ?



夏葉もきっとそうだと思う。



「よくあたしみたいなお子ちゃまと付き合ってたよね」

「出会ったときの方が大人っぽかったかもな」

「あはは、そうかもね」



夏葉と会ってからどんどん夏葉に甘えていった自覚はある。



夏葉と出会って、いろんな知らない自分を発見したよ。



たくさん成長もした。



いろんな壁にぶつかって、支えてもらって。



夏葉のことを愛情以外の何で表したらいいか分からない。



こんなに大切な人、一生をかけたってほかに見つけられないよ。



その日はたくさん夏葉とキスをして、愛し合って。



幸せ…。



それから1年。



映画を撮り終えて公開すると、すぐに話題になった。



あたしにはよく分からないけど、芸術的にも優れた作品だって。



夏葉はサーフフォトグラファーの間では伝説的な存在になった。



あたしと夏葉、2人でずっと頑張ってきたね。



あたしばっかり支えてもらったような気がするけど、夏葉からすると、あたしも夏葉の背中を押す存在になれてたみたい。



すごく嬉しい。



あたし、とっても幸せ。



「穂風、愛してるよ」



夏葉からもらった数えきれない愛の言葉。



あたしもその分返せてるかな?



夏葉は一生あたしの大切な人だ。



これからも、夏葉の横で、愛をはぐくんでいきたいな。



夏葉、これからもずっと、2人で一緒に色んな波に乗っていこうね。




-end-
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