海よりも深くて波よりも透明
それから休憩時間が終わって、結果発表の時間が来た。



ドキドキする…。



下の順位から順番に発表される。



そして5位まで来た。



あたしの去年の成績は、調子もあまり良くなくて3位。



愛姫は去年2位で、めちゃくちゃ悔しかった。



去年よりずっとコンディションも良いし、今年は期待できるはず。



「3位はこの方です」



司会者の人が間を開ける。



多分3位ではないと思う。



と思いながらも思わず祈ってしまう。



「エヒメ・シマダ!」



3位は愛姫だった。



これで、去年よりあたしの順位が上回ったことは確定したわけだ。



ということは、愛姫よりあたしの成績の方が良い事も確定。



とりあえずの目標は達成した。



でも問題はこれからだ…。



狙いは優勝。



「それでは、2位を発表します!」



手を合わせて祈った。



優勝優勝優勝…。



「2位は…ミカゼ・イワサキ!」



2位…。



悔しい…。



愛姫にも勝てたし、順位も上がったけど…。



だけど優勝できなかった…。



「ミカゼ、オメデト!」

「愛姫…」

「デモ悔しい! Next time is my turn to beat you!(来年はあたしが絶対勝つよ!)」



愛姫は本当に良いライバルだ。



あたしも絶対来年こそは優勝する。



それからエキシビジョンマッチ。



普段ロングボーダーとして活動してるけど、エキシビジョンではショートボードで乗る。



ショートボードもあたしはプロレベルだ。



ショートとロングのどちらかでプロになるか決めるとき、本当に悩んだ。



親はロングボーダーだから、比べられたくないって思いでショートにしようと初めは思った。



だけど、やっぱりロングのゆったり感が好きで。



それに、ロングを極めることで、プライドに懸けて父親をロングで越そうと思ったんだ。
< 50 / 328 >

この作品をシェア

pagetop