海よりも深くて波よりも透明
「ね、夏葉、勝負しよ」

「あ?」

「それぞれ値段見ないで駄菓子買って合計200円超えないようにするの。超えたらアウトで、より200円に近い方が勝ち」

「おっけ」



というわけで、穂風と勝負することに。



つっても…。



駄菓子っていくらくらいだったかもう覚えてねえな…。



ガムは…10円?



穂風を見ると簡単そうに商品を選んでる。



俺もなんとか値段に検討をつけて商品を選び終わった。



まあこんなもんだろ…。



「じゃあまず夏葉からね」

「あいよ」



俺がおばあさんに商品を渡すと、おばあさんがニコニコしながら値段を計算しはじめた。



まあいい線いってるだろ。



そう思ったのに、結果は予想外。



「110円です」



は…?



なんとも的外れだ。



いやいやいや、さすがに180~210円くらいだろ。



駄菓子ってこんな安いのかよ…。



「夏葉おじさんだね~」



俺は『うまし棒』が10円なことしか知らねえよもう…。



「次はあたしね~」



そう言って穂風がおばあさんに商品を渡した。



めちゃくちゃたくさん買ってる。



普通に200円越しそうに見えるけど、さっきの見るとそうでもなさそうな…。



「200円です」



は!?



まじ?



すげえな…。



穂風は勝ち誇った顔。



「すごいでしょ~」

「ガキだから感覚が子供に近いんだな」

「ちょっと!」



怒る穂風の頭を軽く撫でた。



じとっとした目でこっちを見てくる。
< 70 / 328 >

この作品をシェア

pagetop