海よりも深くて波よりも透明
なんて言えるはずもなく、時間があまりないので穂風の頭をぽんっと軽く叩いてから穂風の部屋を出た。



出た瞬間、悠星と出くわす。



部屋隣かよ…。



さらに、同じタイミングで愛姫もその隣の部屋から出てきた。



悠星の隣に立って、悠星と顔を見合わす(そのあとしっかりそっぽを向いた)。



俺らの間に変な空気が流れる。



それから悠星が「へ~」と言った。



愛姫も「A real go-getter(やるね~)」と…。



なんもしてねえよ…。



二人を無視して急いで自分のホテルに戻り、軽く飯を食ってから出発した。



今日は朝から練習で、午後は休み 。



昨日と同じように撮影する。



写真だけじゃなくて映像も。



時折浜に上がってくる選手たちのプライベートな表情を撮ったり…。



昨日のアンディの話を聞いて俄然やる気が出てる俺。



いい仕事させてもらってると改めて思う。



あっという間にその日の練習は終了した。



昨日ほとんど寝られなかったせいでねみいけど、今日は良い写真がたくさん撮れた気がする。



今晩はよく寝れそうだ。



すると、満足してる俺のところに、穂風がやってきた。



「今日も一緒に寝てね」



可愛くお願いする穂風。



そして流されそうになるアホな俺。



…って、今日はさすがに勘弁!!
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