薬師見習いの恋

***

 フロランに鍵を渡されたメイドは、手の中の鍵を不審に見つめた。

 なぜ王女の護衛である彼が地下室の鍵を持っているのだろう。明日の朝になってから開けに行けなんて、そんなおかしなお願いまでするなんて。

 もしかして、この病気の騒動に関係しているのかしら。

 病気は王女が持ち込んだという噂も聞いている。
 その護衛騎士がこの屋敷の地下室の鍵を持っているなんて、絶対になにかおかしい。

 きっとすぐに確認に行った方がいいわ。
 メイドは手の中の鍵を握りしめ、地下室へと急いだ。
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