薬師見習いの恋
マリーベルは自分にそう言い聞かせる。
ふたりは暗くなる一方の森に踏み入って行った。
***
ロニーはアシュトンから馬を借りて走らせ、村境に着くと馬を降りて兵に声をかける。
「王女殿下の御命令により、急ぎ村を出たい」
「そんな命令は届いていない」
兵士はにべもなくつっぱねる。
「緊急です。さきほどこちらをフロラン殿と少女が通ったでしょう?」
ロニーが言い募ると、兵士は顔を見合わせた。
「しかしあれは……」
「なあ?」
兵士は戸惑ったように顔を見合わせ、じれったくなったロニーは腰につけたポマンダーを彼らに見せた。
「これを使いの証として賜りました。通していただけますね」
松明の光にポマンダーの紋章がきらりと光る。
使いの証というのは嘘だったが、紋章の効果は絶大だった。
「王家の紋章……」
「かしこまりました!」
兵士たちはすぐに道をあける。
ロニーはまた馬にまたがり、森までの道を急いだ。
森に着くと馬の手綱を手近な木に結び付け、持ってきたランタンに火をつける。
ふたりは暗くなる一方の森に踏み入って行った。
***
ロニーはアシュトンから馬を借りて走らせ、村境に着くと馬を降りて兵に声をかける。
「王女殿下の御命令により、急ぎ村を出たい」
「そんな命令は届いていない」
兵士はにべもなくつっぱねる。
「緊急です。さきほどこちらをフロラン殿と少女が通ったでしょう?」
ロニーが言い募ると、兵士は顔を見合わせた。
「しかしあれは……」
「なあ?」
兵士は戸惑ったように顔を見合わせ、じれったくなったロニーは腰につけたポマンダーを彼らに見せた。
「これを使いの証として賜りました。通していただけますね」
松明の光にポマンダーの紋章がきらりと光る。
使いの証というのは嘘だったが、紋章の効果は絶大だった。
「王家の紋章……」
「かしこまりました!」
兵士たちはすぐに道をあける。
ロニーはまた馬にまたがり、森までの道を急いだ。
森に着くと馬の手綱を手近な木に結び付け、持ってきたランタンに火をつける。