薬師見習いの恋
7 衝突する思惑
村に戻ったのは夜明けぎりぎりで、フロランが逢瀬に出かけたと思い込んでいた兵士は血まみれでもどったフロランと、ぐったりしたマリーベル、彼女を背負ったロニーに目を白黒させた。
内緒で薬草を採りに行っていたのだと説明を受けた兵士は、こっそり村へと入れてくれた。
エンギア熱を発症していたマリーベルは寝込んでしまい、月露草も銀蓮草もロニーが薬として調合した。
深い眠りと浅い眠りを繰り返し、うつらうつらとしながらロニーが自分に薬を飲ませてくれる夢を見た。
「私より、みんなの薬を……」
マリーベルが夢うつつで言うと、
「大丈夫だよ」
と彼は優しく微笑してくれた。
それで安心してまた眠りに落ちることができた。
何度目かわからない浅い眠りの中、マリーベルは鳥の鳴き声を聞いた。
瞼越しに明るい日差しを感じ、もう起きなくちゃ、と思うのに体がだるくて瞼が重くて上がらない。
もう少しだけ……。
寝返りを打って日差しを避けたとき、扉が開く軽い音がした。
「おはよう、マリー」
聞こえた声に、マリーベルは一気に覚醒した。
どうしてロニーの声が聞こえるのだろう。
内緒で薬草を採りに行っていたのだと説明を受けた兵士は、こっそり村へと入れてくれた。
エンギア熱を発症していたマリーベルは寝込んでしまい、月露草も銀蓮草もロニーが薬として調合した。
深い眠りと浅い眠りを繰り返し、うつらうつらとしながらロニーが自分に薬を飲ませてくれる夢を見た。
「私より、みんなの薬を……」
マリーベルが夢うつつで言うと、
「大丈夫だよ」
と彼は優しく微笑してくれた。
それで安心してまた眠りに落ちることができた。
何度目かわからない浅い眠りの中、マリーベルは鳥の鳴き声を聞いた。
瞼越しに明るい日差しを感じ、もう起きなくちゃ、と思うのに体がだるくて瞼が重くて上がらない。
もう少しだけ……。
寝返りを打って日差しを避けたとき、扉が開く軽い音がした。
「おはよう、マリー」
聞こえた声に、マリーベルは一気に覚醒した。
どうしてロニーの声が聞こえるのだろう。