薬師見習いの恋
「みなさんが優しいのでつい長居してしまいました。銀蓮草があるのでは、という期待もありましたが、これだけの期間、あなたも一緒に探してくれたのに見つからないのですからここにはないのでしょう。次の場所に探しに行きます」
「アシュトン様になにを言われたの？」

「期限だと言われただけですよ」
「嘘よ。……まさか、エルバ様が？」

「あの方がなにか？」
「ロニーを探しに来たって言ってたもの、だから……」
　彼女に言われたから、ロニーは行ってしまうのだろうか。

　それとも、彼女がアシュトンを使って圧力をかけたのだろうか。身分が高そうだから、彼女が命令したらアシュトンは逆らえないのではないだろうか。

「あの方は関係ありませんよ。あなたにもわかるでしょう？」
　エルベラータの邪気のない笑顔が浮かび、マリーベルは頷いた。彼女がそういうことをするようには思えなかった。

「もうすぐ冬が来るのに」
「大丈夫ですよ」

「冬を越してからのほうが安全だわ！」
「でも、もう期限なのですよ」
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