薬師見習いの恋
「このお嬢さんが閉じ込められたのを知っているのは何人いる?」
「私とアシュトン様だけです」
「そうか、燭台と鍵をお嬢さんに渡せ」
「どうして……」
「早くしろ!」
「はい!」
従僕の手は震え、燭台からろうがぽたぽたと落ちた。火は今にも消えそうだ。
マリーベルは戸惑いながら燭台と鍵を受け取る。
「鍵をよこせ」
フロランに鍵を渡すと、マリーベルは地下室から出るように言われた。自身も地下室を出ると、フロランはすぐさま扉を閉めて鍵をかけた。
「どうしてあの人を閉じ込めるんですか!?」
「こうしたほうがいい。彼は俺に脅された被害者だ。なにかあったときに責を負うのは俺だ。君も俺に脅されたことにしろ、いいな?」
マリーベルはただただ驚いて彼を見る。
「ぼうっとしてる場合か。急ぐぞ」
「でも……」
「そう心配するな。あとで人をここに来させる」
そう言われて、ようやくマリーベルは頷いた。
フロランに連れられて地下道を出て、アシュトンに見つからないように玄関へ向かう。
途中、フロランはメイドのひとりに地下室の鍵を渡し、明日の朝になったら地下室を見に行くようにと伝えた。翌朝にしたのは時間を稼ぐためだ。
屋敷を出ると、フロランはいったん中に戻って行った。
「私とアシュトン様だけです」
「そうか、燭台と鍵をお嬢さんに渡せ」
「どうして……」
「早くしろ!」
「はい!」
従僕の手は震え、燭台からろうがぽたぽたと落ちた。火は今にも消えそうだ。
マリーベルは戸惑いながら燭台と鍵を受け取る。
「鍵をよこせ」
フロランに鍵を渡すと、マリーベルは地下室から出るように言われた。自身も地下室を出ると、フロランはすぐさま扉を閉めて鍵をかけた。
「どうしてあの人を閉じ込めるんですか!?」
「こうしたほうがいい。彼は俺に脅された被害者だ。なにかあったときに責を負うのは俺だ。君も俺に脅されたことにしろ、いいな?」
マリーベルはただただ驚いて彼を見る。
「ぼうっとしてる場合か。急ぐぞ」
「でも……」
「そう心配するな。あとで人をここに来させる」
そう言われて、ようやくマリーベルは頷いた。
フロランに連れられて地下道を出て、アシュトンに見つからないように玄関へ向かう。
途中、フロランはメイドのひとりに地下室の鍵を渡し、明日の朝になったら地下室を見に行くようにと伝えた。翌朝にしたのは時間を稼ぐためだ。
屋敷を出ると、フロランはいったん中に戻って行った。