彼がモデルになったら
「どうしよう……」

私はそう口にしていた。


「勘違いされちゃった」

「俺行ってくる」

そう言って蒼はクレープを包んでた紙をグチャっと丸めて、蓮君を走って追いかけた。





俺のことは気にしなくていい。………ってどんな意味?

必死に弁解しなくていいから。

そういうことか――そうなんだ。


私は蓮君の彼女でも何でもない。

今はただの元カノ。

なんてことないのに、慌ててバカみたいだ。

放課後、蓮君の部活を教室から見てるのも好きだった。


蓮君が好き蓮君が好きなんだ。

でも、もうどうにもなんない。

クラスも違うから話せない。

やっと話せたのがさっきだった。

目の奥がギュウってなって涙がこぼれ落ちた。

必死にこれ以上泣かないようにした。

蒼にはこんなの関係ない。
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