彼がモデルになったら
沙織はバレンタイン当日、ケーキを箱に入れておしゃれに飾りをつけ持ってきた。

「めっちゃ可愛いなハートできてる!」

私は沙織のケーキを覗かせてもらって、びっくりした。



私のは渡したい気持ちとやめとこうという気持ちが混ざり合って複雑だった。

クッキーの型がうまくいかず形がちょっと変、トッピングもイマイチで……何だか心配になる。



沙織と二人で屋上にいると、蒼がやってきた。



「ヤバッ」

と沙織は慌てて隠した。



「何隠してんの?」

蒼は沙織を覗き込む。



「蒼には関係ない」

沙織はそう言って立ち上がった。
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