先輩は、はちみつの香り


「〜っ、」



(〜っ、これは、思いっきり心臓に悪いっ、)



普段、男の子と関わる機会がほとんどないから。



手首でも、掴まれるのはドキドキしてしまう。



(私が好きなのは、藤光先輩なのに.........っ、)



そう心の中で思った瞬間。



「双葉、なにしてんの?そんなところで」



背後から聞こえてきたのは、
私が心の中で思った人物、藤光先輩の声。



だけど、いまの状況で振り返れるハズもなく。



「.........んー、名前、聞こうと思って」

「双葉が名前聞こうとすんの珍し」



黙って、先輩たちの会話が終わるのを、
静かに待っていることしか出来ないでいると。


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