先輩は、はちみつの香り


「俺、別にモテなくていーし」



私の言葉なんて無駄みたいに、
あっという間に論破しちゃう、夏川先輩。



でも........................



「............それは、女の子たちに失礼じゃ、」



登校待ちをしてる女の子が多いのに、
本人がそう思ってるのは失礼だと思って、
呟くように、流石に言葉を発すると。



「俺も、朝都も柊生も、別にモテたい訳じゃない。ただ周りが勝手に騒いでるだけだよ」



まるで、〝3人共通です〟と、
言わんばかりの言葉を言う夏川先輩。



いくらモテるといっても。



「............先輩たちは先輩たちで悩みがあるんですね、」



勝手に登校待ちをするのも、先輩たちに、
悪いことをしてると思って、反省して眉を下げながら言葉を出すと。


< 16 / 53 >

この作品をシェア

pagetop