先輩は、はちみつの香り


「.........まぁ、そうだけど。
悩みがあるのはやよいちゃんの方でしょ」



まるで、〝何か〟を、
察しているようにそう言う夏川先輩の優しい声。



「.........っ、ぅ、そ、れは、」



今まで誰にもバレてなかったのに。



夏川先輩には...............バレ、てる?



そう思うと余計に言葉が出てこなくって。



「.....................っ、ぅ、」



溢れてくるのは涙ばかり。



涙を止めなきゃって、
思えば思うほと、止まらなくって。



「...............やよいちゃん、」

「............っ、ぅ、はい、」



もう、名前を呼ばれてることすら、
気にする余裕がなくなっていると。

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