先輩は、はちみつの香り


すると.....................



「ははっ。驚き過ぎでしょ!」



そう言ってニコニコ笑ってる夏川先輩。



服装は違うけど、
いつもと同じ優しい笑顔に少し安心して。



「............先輩が、先輩で良かったです、」



聞こえるか聞こえないかぐらいの小さい声でそう、言葉を溢した。



だけど、その声は。



「ははっ。それは光栄だ」



先輩にちゃんと届いていたようで、
キラキラの笑顔を見せてくれる夏川先輩。



初めて弱音を吐いてから、
私は朝の登校待ちをやめたけど、
でも、代わりに、なぜか、
先輩とは、毎日、話すようになった。



もちろん、
私から話しかけにいく訳ではないけど。



先輩が私を見かけては、
気にして、話しかけてくれるから。


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