先輩は、はちみつの香り
「そーそ。あの、夏川養蜂。
だから、俺ら地元一緒だし昔からの幼なじみ」
「.........だから、一緒にいたんですね、」
〝王子〟たちが、
一緒にいるのは当たり前の光景だったけど。
その情報でどこか、納得する私がいて。
〝幼なじみ〟そんな関係が羨ましくなる。
そう思って、少し落ち込んでいると。
パチンッと軽く指でおでこを弾かれて。
「こら。やよいちゃん。そんな顔しない。
今日は俺が、目一杯楽しませるから」
そう言って笑っている夏川先輩。
その笑顔を見てると、無下には出来なくて。
「............、夏川先輩、」
「ん?」
「今日は、よろしくお願いします、」
夏川先輩の名前を呼んで、静かに頭を下げた。