先輩は、はちみつの香り


「私、もう、」



〝先輩とは関わりません〟



そう口に出そうとしたけど出せなくて。



その代わりに........................



──────グイッ!



と、腕を引っ張られて連れ込まれたのは裏路地。



私の背中には、壁の冷たい感触があって。



それと同時、両腕を掴まれて、
甘いはちみつの香りと共に、
私の肩に乗っかる、夏川先輩の頭。



「〜っ、...............せん、ぱい?」



先輩が何を見て、
何を感じたか?なんて分からないけど。



明らかに震えてる、先輩の体。



そんな先輩を見るのは初めてで。



思わず、先輩の背中にギュッと手を回すと。


< 25 / 53 >

この作品をシェア

pagetop