先輩は、はちみつの香り
「私、もう、」
〝先輩とは関わりません〟
そう口に出そうとしたけど出せなくて。
その代わりに........................
──────グイッ!
と、腕を引っ張られて連れ込まれたのは裏路地。
私の背中には、壁の冷たい感触があって。
それと同時、両腕を掴まれて、
甘いはちみつの香りと共に、
私の肩に乗っかる、夏川先輩の頭。
「〜っ、...............せん、ぱい?」
先輩が何を見て、
何を感じたか?なんて分からないけど。
明らかに震えてる、先輩の体。
そんな先輩を見るのは初めてで。
思わず、先輩の背中にギュッと手を回すと。