先輩は、はちみつの香り



(〝また〟きっと私が悪いんだっ、)



........................心の中でそう思った瞬間。



「違う‼︎あっくんも、羽賀先輩も夏川先輩も、誰かが、独り占めしたって別にいいもん!!」



私と日瀬さんの間に入るようにして、
両手を立ってる矢代沙菜さん。



「なに!!矢代さん!
朝都先輩の彼女だからって、何様のつもり!?」



日瀬さんがそう言って手を振り上げて。



今にも、叩きそうって最悪のタイミング。



「...............僕の沙菜に何してんの」



日瀬さんの手を抑えながら。



うんと低い、藤光先輩の声が聞こえてきた。



多分、この場面で、
最高の救世主のようになってる藤光先輩。


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