先輩は、はちみつの香り
【07.】先輩は、はちみつの香り
藤光先輩に、
〝好き〟を過去形にして伝えてから3日。
夏川先輩と初めて話した金曜日から、
気づけば、あっという間に2週間が過ぎていた。
そして、私のなかで、
1番変わったことは........................
「やよいちゃん!
あっくんがね、帰り一緒に来てだって!」
「あっ、えっと、沙菜ちゃん、でいいのかな?」
「やよいちゃん、もっと慣れてよぉ〜!」
「ぅ、いや、まだ、慣れない、」
全然慣れる気配がないけど、
〝名前〟で呼び合うクラスメイトが出来たということ。
「呼んでれば慣れる!と思う!」
「そう、かなぁ............?」
「って!あっくん待ってるから行こ!」
プラス思考が多くて明るくて。
そのくせ、どこか抜けてる沙菜ちゃん。
(これからもっと仲良くなりたいな、)
そう心の中で思ったのを内緒にして、
教室の外にいる沙菜ちゃんを、追いかけた。