先輩は、はちみつの香り
【07.】先輩は、はちみつの香り


藤光先輩に、
〝好き〟を過去形にして伝えてから3日。



夏川先輩と初めて話した金曜日から、
気づけば、あっという間に2週間が過ぎていた。



そして、私のなかで、
1番変わったことは........................



「やよいちゃん!
あっくんがね、帰り一緒に来てだって!」

「あっ、えっと、沙菜ちゃん、でいいのかな?」

「やよいちゃん、もっと慣れてよぉ〜!」

「ぅ、いや、まだ、慣れない、」



全然慣れる気配がないけど、
〝名前〟で呼び合うクラスメイトが出来たということ。



「呼んでれば慣れる!と思う!」

「そう、かなぁ............?」

「って!あっくん待ってるから行こ!」



プラス思考が多くて明るくて。



そのくせ、どこか抜けてる沙菜ちゃん。



(これからもっと仲良くなりたいな、)



そう心の中で思ったのを内緒にして、
教室の外にいる沙菜ちゃんを、追いかけた。


< 38 / 53 >

この作品をシェア

pagetop