先輩は、はちみつの香り
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「あっくーん!」
玄関を抜けて、外に出るなり、
なかなかの大声で、校門のところにいる、
藤光先輩を呼ぶ沙菜ちゃん。
(...............こっ、これは目立つっ、)
そう心の中で思ったけど、
口には出さず、そのまま沙菜ちゃんに着いていくと。
「..................っ、夏川先輩、」
藤光先輩と一緒に、
私たちを待っていた夏川先輩の姿。
〝好きな人〟がいるって知ってから。
なんとなく遠慮して、
ここ3日ぐらいは特に返せなかったLIME。
正直、何を話していいかすら分からない。
(こっ、この空気はどうすれば!?)
そう、心の中で思ったと同時。