先輩は、はちみつの香り


***



「あっくーん!」



玄関を抜けて、外に出るなり、
なかなかの大声で、校門のところにいる、
藤光先輩を呼ぶ沙菜ちゃん。



(...............こっ、これは目立つっ、)



そう心の中で思ったけど、
口には出さず、そのまま沙菜ちゃんに着いていくと。



「..................っ、夏川先輩、」



藤光先輩と一緒に、
私たちを待っていた夏川先輩の姿。



〝好きな人〟がいるって知ってから。



なんとなく遠慮して、
ここ3日ぐらいは特に返せなかったLIME。



正直、何を話していいかすら分からない。



(こっ、この空気はどうすれば!?)



そう、心の中で思ったと同時。


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