先輩は、はちみつの香り
『──────の、ハンカチ取ってきてよ』
何の前触れもなく、
急に言われた、〝盗み〟の命令。
私なら、断らないと思われたのだろうか?
今となっては真意は分からないけど。
私は、その子に対して.....................
『っ、ぅ、そんなことっ、出来ないっ!』
──────ちゃんと断った。
ハズだった..............................のに。
『やよいちゃんのばか!最低!
取ってくれるって信じてたのに!!』
まるで、取らなかった私が悪いみたいな言葉を大声で言われたと同時に、パチンッと叩かれた頬。