先輩は、はちみつの香り
***
「やよいちゃん、」
「ぅ、えと、はい、」
私の家の、最寄り駅の改札口から、
歩いて10分ほどの場所にある小さな公園のベンチにて。
夏川先輩と休日に出かけた日以来の2人きり。
この状況に緊張しないはずなく。
もちろん、心臓はバクバクと動いている。
だから...........................
夏川先輩に何を言われるかもドキドキで。
静かに、夏川先輩の声に耳を傾けていると。
「何個か、言いたいことあって、」
「はい、」
「まず、LIME返してくれないのは寂しい」
「ぅ、えと、それは、ごめんなさい、」
まるで、会ってない時間を埋まるように、
─────夏川先輩は、ゆっくり話し始めた。