先輩は、はちみつの香り


「あと、朝都から、
過去形で、伝えたって聞いた。
やよいちゃんが、〝好きな人〟いるって話しも」

「..................、」



久しぶりにちゃんと聞いた、
夏川先輩の声はとても聞き心地がよくて。



「俺、やよいちゃんに、
報われない片想いして欲しくねーの」

「..................、」



いつも以上に真剣に聞いていて、
むしろ、息をするのも忘れそうなレベルだ。



「やよいちゃん?」

「ひ!ぅ、あ、はい!」

「俺の話し、聞いてた?」



真剣に聞き過ぎて、
先輩を不安にさせてしまったから。



「ぜ、全力で聞いてましたとも!!
でも、私はやっぱり片想いでいいんです!
だって、先輩には〝好きな人〟がいるから!」



全力で巻き返すように、言葉を発した、ケド。



かんっぜんに間違えた...........................


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